2012年6月16日土曜日

美容室の出店の仕方1

美容室は、ファッション業界の一部だと考えられているけど、美容室と言う職業は2種類あると思う。トレンドや、ヘアースタイルのデザインを売る仕事と、メンテナンスの仕事。
私は、本当は車屋になりたかったのだけど、当然車の改造とかデザインをしたかったためだった。しかし、田舎の車屋は、ほとんどの場合車検が主な仕事になる。
美容師も同じだと思う。ヘアーメイクの撮影や、カッコイイヘアースタイルを作る美容師にあこがれて、東京や、大阪へみんな就職するのだが・・・
自分でお店を開店すると、地域密着の固定ののお客さん中心になる。当然毎回変わったヘアースタイルを作るお客さんはいない。メンテナンス中心の技術提供になる。
車検中心の車屋と同じ理屈だ。コンテストに何度も出て、自信をつけて自分のお店を持つと、今までの仕事とのギャップにびっくりする事になる。
田舎の方で開店してつぶれている、元有名サロンのトップスタイリストの店を何軒か知っている。ギャップを埋められないためだと思う。
お店を出店するときには、それまでのアーティス美容師としての出店なのかメンテナンス屋なのかを選択する必要がある。
中途半端な決定は、お店のカラーを消してしまう事になる。また、出店する場所でも違った店になってしまう。中州に出せば、セットアップ中心の店がはやるだろうし、新興住宅地なら、新婚の方が多くなるだろう。
出店した町の個性とお店の方向性を合わせる事が重要だ。

2012年6月1日金曜日

美容師にもとめられる技術

とりあえずこのページは技術や考え方について書いていこうと思うのですが、よく脱線するのでごめんなさい。
美容師になって早30年になります。最初に入った店は、バリバリの技術志向のお店で、『すねいく』というお店でした。
当時まず習ったのは、カットとは?という命題でした。ヴィダルサッスーンのカット技術を踏襲した、ブラントカットで左右5ミリの誤差もゆるさないものでしたね。
その後、紆余曲折を得て、たどり着いた答えは、美容師にとって一番大事な技術は『相手が想像している形(ヘアースタイル)を正確に自分の頭に再現させること
だと考えるようになりました。相手の思うヘアースタイルがきちんと再現できることは、技術やセンス以前の問題だからです。それがきちんと頭に浮かばなければ、似合うとか似合わないというアドバイスもまったく意味がありません。どんなに真っ直ぐ切れても、どんなにパーマがきれいに巻けても、それは、優れた道具を手に入れたという意味でしかありません。優れた感応力こそ、いい美容師として必要な技術だと思います。