2012年7月16日月曜日

月間SPAの記事 ≪花形だった原宿・美容師たちの過酷な現実≫

7月14日の月刊SPAの記事からの抜粋なのだが
 『カリスマ美容師ブームの頃に美容師を志した連中が今、30代になってます。
兵どもが夢のあと…
今や原宿は撤退した美容院の空きテナントが大量に発生している。
だが、廃墟だらけというわけではない。
原宿の美容院事情に詳しい人物に話を聞いた。
『確かに撤退する店がふえてます。だけど、開店も多い。撤退するのは個人店か大手の2号店、3号店を締めるケース。この居抜き店舗にどんどん美容院が入るんです』事情通A氏

『昔は美容院が開店したら≪ああ、●●で修行してたヤツね
って≫解ったんです。でも、最近≪誰が出したんだ?≫ってとこが増えて。
出入りの営業は≪あれは●●県の一番大きいチェーン店です≫って言うんですよ』(高橋さん

『都内じゃ原宿のブランド力が低下していますが、地方では通用します。原宿出店は
なんです。
原宿に店を出してちゃっかり本店を名乗り、田舎では原宿に本店がある店として看板を掲げたりしているんです』事情通A氏

岩手県にUターンした宮本広子さん(仮名)も、地方での原宿ブランド力を体感した一人である。

「体調を崩し10年間勤めた原宿のお店を辞めて岩手に帰ってきました。帰る時は不況だし、
美容院もそんなにないから、親に借金して細々とやろうって思ってたんです。
けど、一ヶ月も経つと地元の美容師仲間に伝わって、いろんな美容院から勧誘の電話がかかってきて。
要するに、≪原宿で10年働いてた美容師!≫ってことで、お客さんが呼べるんですよ。
地方に行けば原宿出身というだけで、まだまだカリスマになれるんです」 (宮本さん 
話を戻そう。原宿における地方チェーン店の旗艦店開店ラッシュに高橋さんの顔色は曇るばかりだ。

「こっちは個人店、むこうは大型店で原宿店は
  を付けるだけだから儲からなくていいんです。その上強烈なダンピング。
例えばパーマとカットで15000円が相場だったのが、連中はカットとパーマで1万円とか8000円。これじゃ太刀打ちできません」(高橋さん

 こうした価格破壊によって、個人店は大打撃を受けているという。そして、この地方チェーン店の原宿進出には、さらに大きな裏事情があるという。

「原宿に店がある事で美容学校の生徒が大量に入社してきます。
ある地方チェーンは原宿店を前面に出し採用して、ほとんどの新入社員を地元の各店舗に配属するんです。
50人新卒を雇って原宿勤務はたったの2人。
残りは全て地方の店舗にブチ込まれた……なんて話を耳にしたこともあります」(事情通A氏)

 夢の原宿勤務を実現させたと思いきや、縁もゆかりもない田舎町に送られるとは現代版蟹工船、タコ部屋残酷物語に他ならない。

「地方は美容師不足なんです。美容師って学校を出て2~3年後には7割が辞めるんです。
5人雇って3年後に1人残ればラッキー、2人残れば超ラッキー、3人残れば奇跡言われる業界です。
だからこそ、チェーン店では大量の新人の採用が急務なのです。
そして辞めようとすれば
『もう少し頑張れば原宿に戻れるから』と言いくるめて、コキ使い続けるというわけです。
もちろん、原宿になんか戻れませんけど……」

 混沌とする原宿美容業界に未来はあるのだろうか……。 <取材・分/SPA!原宿特捜班>
げんじつはきびしいのですよ